教壇の上

後期の授業が始まった。
楽しい。もう本当にとんでもなく楽しい。

所属している大学の学生たちは、決して優秀でも意欲的でもないけれど
こうやって教壇の上が、私が唯一、存在することが奨励されている場所なんだなあと実感すると
ああ本当は、彼らに救われているんだなあと思う。

非常勤の授業も始まった。
同時に、前期の授業の学生による評価の結果も返ってきた。
ええ！？とのけぞるほど、思ったよりも、びっくりするほど、
よく評価してくれている。
びっくりするほど、と言うのは、私が授業に労力をかけた以上の
そして自己評価よりもずっと良い評価が、返ってきたからだ。
客観的に振り返って、がんばってやったつもりだけど、
でも決してそこまで言ってもらえるほどじゃない。

これはなぜか。おそらく理由は3つ。
非常勤先の学生たちは、どうすれば自分の論理的思考のための
ツールとして、知識、方法論、理論を取り込むことができるかという
構えを持っているし、その術も知っているので、
私の未熟な部分も補って聞いてくれているのだろう。
本質的な部分を、主体的に抽出してくれているということ。

第二に、非常勤先は、世界的にも著名な教授陣がそろっているのだが
そういう方々の中には、思考が高度すぎて、学生のレベルに落として
話すのがどうしても無理な人がいる。研究者養成には向いているのだろうけど。
そんな中で、私は少なくとも学生の「分からない気持ち」が分かるので
それが説明の仕方に反映されているのかもしれない。
確かに、ちょっと専門的な度合いが大きくなると、学生の反応が
とたんに鈍くなるというのは実感としてある。

あとは・・・非常勤先は、教員の平均年齢がかなり高く、
かつ女性教員の割合が極めて小さいので、
私のような「誰このねーちゃん？？」って感じなのが
ちょっともの珍しかったのかもしれない。

たださすが彼ら、私の「内容つめこみすぎ」「早口すぎ」
「後半急ぎすぎ」という欠点も、しっかり指摘してきた。
そうなんだよなあ、これは本当に直ってない。

そして、非常勤は今年度までにしようかと思っていたけれど
来年度の継続のオファーが来たので、とっとと引き受けてしまった。
いつか非常勤やめるまでに、欠点を直すぞ〜